臨床工学技士はどんな仕事をする資格か
臨床工学技士は、医師の指示の下で、生命維持管理装置の操作と保守点検を行う国家資格です。生命維持管理装置とは、人の呼吸・循環・代謝の機能の一部を代替したり、補助したりする装置を指します。
現在は、生命維持管理装置を用いた治療に関連する一定の医療用装置の操作などにも業務が広がっています。
ただし、「病院の医療機器をすべて扱う人」と考えるのは適切ではありません。どの機器を扱い、どこまで担当するかは、法令上の範囲だけでなく施設の役割分担によっても変わります。
仕事内容は大きく4つの領域から見る
臨床工学技士の仕事は幅広いため、働き方を考えるときは、まず四つの領域から見ると整理しやすくなります。
透析・血液浄化では、血液透析をはじめとする血液浄化療法と、その装置の操作・管理などに関わります。
手術室・循環器では、手術室、人工心肺、心血管カテーテル、ペースメーカ・ICDなどに関わる仕事があります。
呼吸・集中治療では、人工呼吸器の使用・管理や、集中治療領域で使われる生命維持管理装置などに関わります。
医療機器管理では、院内で使用する医療機器の保守・点検、中央管理、適切な運用などを支えます。
これらは完全に分かれた仕事ではなく、一つの求人で複数領域を担当することもあります。
関連:「透析・血液浄化に関わる」/「手術室・循環器領域に関わる」/「呼吸・集中治療に関わる」/「医療機器管理に関わる」
病院とクリニックでは担当業務の組み合わせが違う
病院では、透析、手術室、人工心肺、心カテ、集中治療、呼吸療法、医療機器管理など、施設の診療機能に応じて複数の仕事があります。
クリニックでは、特に透析医療との接続が目立ちます。ただし、「クリニックの臨床工学技士は透析だけ」とは限りません。
働く場所を選ぶときは、病院かクリニックかだけでなく、その施設がどの治療を行い、臨床工学技士に何を任せているのかまで確認する必要があります。
関連:「病院で働く」/「クリニックで働く」
求人では担当領域・兼務・ローテーションを確認する
臨床工学技士の求人では、資格名だけで仕事内容を判断しないことが大切です。
透析を中心とするのか、手術室や心カテに関わるのか、人工呼吸器や集中治療を担当するのか、医療機器管理を兼務するのか。求人票に書かれている担当領域を具体的に確認します。
さらに、部門固定かローテーションがあるか、夜間・休日・緊急対応があるかも、実際の働き方に影響します。複数領域の経験を求める求人もありますが、特定の経験があること自体を転職上の優位性と考えるのではなく、募集内容との一致を見ることが重要です。
手術室や心カテでは他の医療職とも連携する
手術室や心血管カテーテル、画像を使う治療の周辺では、臨床工学技士だけで業務が完結するとは限りません。診療放射線技師、臨床検査技師、そのほかの医療職が、それぞれの専門性を生かして関わる場合があります。
臨床工学技士は装置の操作・管理を中心とする専門性を持ちますが、実際の医療現場ではチームで仕事を進めます。
「心カテは臨床工学技士だけ」「手術室の機器はすべて臨床工学技士が担当する」といった形ではなく、施設ごとの役割分担を見ることが大切です。
関連:「臨床検査技師・診療放射線技師・臨床工学技士の違いと共通点」
業務範囲の拡大・指定研修・認定制度は公式情報を確認する
臨床工学技士は、2021年の法改正に伴って業務範囲が広がり、対象となる臨床工学技士には指定研修が関係します。対象や期限などの細かな条件は、現在の公式情報で確認する必要があります。
また、日本臨床工学技士会には分野ごとの専門・認定制度があります。こうした制度は仕事を理解する手がかりにはなりますが、認定を持っていることがすべての求人で必要、あるいは採用に有利という意味ではありません。
転職先で担当する業務が決まったら、その業務に必要な制度上の要件や研修を、公式情報であらためて確認してください。